〈ひと口解説〉M2M(機器間通信)普及状況
2015/09/15, 日刊自動車新聞
◆導入8割が活用拡大し競争優位性確保
ボーダフォンが「2015年度版M2M普及状況調査レポート」を発表した。それによると、M2M(マシン・ツー・マシン、機器間通信)プロジェクトを進行している企業は増加しており、すでに導入している企業は適用範囲を発展・拡大し、成果を上げていることがわかった。
この調査は、M2Mがどの地域や業界でどのように応用され、市場が拡大しているのかなどを調査したもので今回で3回目となる。製造、物流、ヘルスケア、家電、小売り、自動車、エネルギーといった七つの業界を対象に、米国、ブラジル、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、英国、トルコ、オーストラリア、インド、日本、韓国、中国、南アフリカ、カナダ、ニュージーランドで実施。従業員数100人程度の中小規模企業も対象に加えている。
調査によると、14年にM2Mを導入していた企業の81%が活用を拡大し多様化している。また蓄積したM2Mデータを分析に応用する企業は前年の75%から81%に拡大しており、半数が新しいビジネスモデルや経営モデルの策定に活用している。
導入企業の83%がM2Mで競争優位性を獲得できたとし、38%が「強くそう思う」と回答。59%が「顕著な」ROI(費用対効果)が確保できたとしており、前年から13ポイント上昇した。業務プロセスや生産性の改善、カスタマーサービス向上、意思決定のスピードや機敏性、コストなどの順でメリットがあったと実感しているようだ。
グローバルにみて、最も著しく成長した業界は小売業で、前年比88%増となった。小売り企業は店内でのデジタルサイネージとともに、新規の支払サービス用の技術を物流の運転効率のために利用している。さらに医療分野は公益事業の分野で普及が進んでいる。自動車産業でも、コア技術として新型車の設計に組み込まれている。コネクテッドカーの生産も加速しており、前年比14%増の普及となっている。
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