[香港 3日 ロイター] - 英金融大手HSBC<HSBA.L>が3日発表した上期決算は、税引前利益が10%増の136億ドルとなり、アナリスト予想平均の125億ドルも上回った。香港での利益が好調だった。

前年同期は123億ドル。

HSBCはブラジル子会社を、同国2位のブラデスコ銀行に176億レアル(52億ドル)で売却すると発表した。HSBCは不採算事業の整理を進めている。

HSBCは欧米や新興国における利益が鈍化する中、香港に対する依存を強めている。同行によると、増益は香港での個人顧客による投資熱が今年前半に高まったことが要因だという。

ダグラス・フリント会長は決算報告で「香港の富裕層部門で株式、ミューチュアルファンド、資産運用からの収入が大幅に増えた」と説明した。

インベステック証券(ロンドン)のアナリスト、イアン・ゴードン氏は「上期の利益は、相場が急落する前の香港・上海市場の株式相互取引(ストックコネクト)から恩恵を受けたものであり、第3・四半期にも利益が同程度になるとは想定していない」との見方を示した。

コスト削減については、採算性の低い部門や市場でリストラを加速しており、5万人を削減する予定。半分はブラジルとトルコで実施するという。

投資銀行部門を中心とする資産売却額(リスク調整済み)は500億ドルに達した。これに伴い、狭義の中核的自己資本比率は11.6%と、前年の11.1%から上昇した。

HSBCは、為替相場の不正操作をめぐる規制当局のさまざまな捜査に備え、費用をカバーする準備金をこれまでの5億5000万ドルから13億ドルに積み増したことも明らかにした。

*内容を追加しました。