次期FIFA会長は某国の殿下? ともに日本ものし上がる

2015/7/7
次期FIFA会長になるのは誰か?
瓦解(がかい)したFIFA帝国を再建するうえで、知恵、政治力、資金力、カリスマ性、あらゆるものが求められる。生半可な人物では務まらず、さらにスネに傷があると告発されるため、次期会長レースの予想は極めて難しくなってきた。
実際、ブックメーカー(公認賭け屋)のWilliam Hill(ウィリアム・ヒル)も2015年6月上旬の時点では次期FIFA会長を予想する賭けを行っていたが、現在は中止している。
だが、Xデー(会長選挙)はいつか必ず来る。日本きっての中東通、森本高史が有力候補に挙げたのは、日本と“同盟”を結んだばかりの殿下だった──。
【第3回の見所】
・プラティニは「カタールゲート」問題がネック
・前選挙で善戦したアリ王子に、もう欧州票は集まらない
・FIFA理事選で田嶋幸三氏と組んだ中東のボス
・間近で見たモンゴルサッカー協会の腐敗
・モンゴル警察から出頭を求められてわかった利権の恐さ

プラティニを悩ます「カタールゲート」

──FIFA会長選挙を振り返ると、2011年が「ブラッター対カタールのハマム」(投票前に汚職発覚でハマムが資格停止)、2015年が「ブラッター対ヨルダンのアリ王子」と、2回連続で中東出身者が現会長に挑む構図になりました。中東出身者が新会長の有力候補になるんでしょうか。
森本 中東の人たちは金銭スキャンダルがないので、確かにそこは有利かもしれません。もはやストレートに賄賂を渡したりせず、何かしらの名目をつけて支援や援助をしており、足がつくようなことはしていない。
逆に現・UEFA(欧州サッカー連盟)会長のプラティニは、その点で不利になる可能性があります。「カタールゲート」と呼ばれるスキャンダルについて、フランスメディアが追求しているからです。
──カタール投資庁の子会社によるパリ・サンジェルマン買収を、サルコジ大統領が橋渡しし、その場にプラティニもいたという話ですね。同時にプラティニが2022年W杯招致でカタールに投票することを約束したと。
プラティニは立候補したら、「カタールゲート」を突っ込まれて刺される可能性がある。となると、おのずと有力候補になるのは中東の人たちになりますよね。