【新システム】流通革命がおいしいコーヒーを守る
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コーヒーはヨーロッパの市場規模が大きいため、普段はオランダで生活しているというTYPICAの後藤将CEO。
取材を申し込んだところ、運良く一時帰国しているというので東京・赤坂の拠点に会いに行きました。「コーヒーに関わる全ての人をハッピーにしたい」という情熱が伝わってくるインタビューでした。
生産者がロースターと直接つながって顔が見える関係になることで、栽培や加工の過程に創意工夫が生まれコーヒーが本当においしくなるそうです。
楽しみに待っていてくれるあの人に喜んでもらいたい──。商いの原点に立ち返った気がしました。コーヒーがないと生きていけない。価値あるコーヒーには価値にみあった代価を!
とっても素敵な取り組みですが、皆さんに考えてほしいのは、CVSやGMSで手に取る廉価なコーヒーにも、出自があるということ。
業務用の大量調達についても、透明性があるプラットフォームができてほしい。
“生産者の顔が見える”は魔法の言葉ですが、私達が手にするお惣菜や飲み物のバリューチェーンは真っ当なのか?考えるようにしたいです。
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コーヒーと離れますが、例えば、自給率が低い小麦について。
小麦の自給率は12%。輸入小麦の価格は数年来、高騰しています。
それで、メーカーは、消費者に好まれ、価格が安定している国産小麦の導入を進めています。素敵なアンテナベーカリーがあったりします。
しかし、生産者の収支をみると、10a当たりの生産コストが4.8万円なのに対し、売価は1.6万円。実はこれに8.5万円の補助金を載せることで、5.3万円の利益がでる仕組みになっています。
(統計上の平均で、自家消費ではなく、ビジネスとしてやっている小麦農家の実際の売価は、3万円くらいあるかと。でもなお、コストを吸収できません)
“生産者が丹精込めてる国産小麦、いいよね”の裏には、収支が成り立っていないビジネスがあるのです。
では、輸入している小麦は、作り手までフェアな代価が支払われているか? これは分からないのです。