自宅に“農地”という機能をもたらす室内水耕栽培ステーション:FETISH #49

地球温暖化によって引き起こされた異常気象が猛威を振るい、わたしたちの日常に及ぼす影響は年々大きくなっている。このままいけばそう遠くない将来、いかにして食糧を確保するのかという問いが突きつけられる日が訪れるかもしれない。そんなとき、気候に左右されない“農地”を室内水耕栽培ステーションが自宅にもたらしてくれることだろう。
自宅に“農地”という機能をもたらす室内水耕栽培ステーション:FETISH 49
「Plantui 6」¥54,780(Wexthuset Japan

PLANTUI
Plantui 6

自身が口に入れている食べものが、どのような環境で、いかにして生産されたものなのか。商品のバックグラウンドに目を向けることが当たり前になりつつある。

それを契機に家庭菜園に興味をもつ人も少なくないだろう。しかし、畑をつくるような庭も、プランターを置くような広いベランダもないというだけで家庭菜園を諦めてはいけない。仮にそうした環境があったとしても、深く知るほどに手間の多さに腰が引けてしまうなんてこともある。

だが、この「Plantui 6」は、スペースも手間もいらない室内水耕栽培ステーションとして、どちらの悩みも解決してくれる。

日照時間が短いフィンランド生まれのPlantui 6は、コンパクトであることはもちろん、さすが北欧と思わせるインテリアとしても充分に成立する秀逸なデザインなだけに、リヴィング、あるいはキッチンの片隅にと置く場所を選ぶ必要がない。むしろ成長していく過程をインテリアとして飾ってもいいかもしれない。

手間にいたっては、このスペーシーなプロダクトに水を入れ、種子を専用の容器にセットして粉末肥料を水に溶かすだけで、葉物野菜やハーブが室内で栽培できてしまう。当然、室内だから葉物野菜やハーブを育てるときに気になる虫もつくことがないのがうれしい。もちろん農薬は一切使わないので、そのままもぎ取って食べることもできる。

収穫までに要する時間は育てるものにもよるが、4〜8週間程度。その間は自動水循環システムとLEDライトで水と光を管理していく。世話といえば、水の継ぎ足しと植物の育成度合いに合わせて支柱の高さを調整するくらいのものだ。

点灯時間を調整できる「スリープタイマー」や、旅行などで家を長期間あけるときに水の循環量を減らして成長スピードを遅める「ホリデーモード」などがプリセットされているので、片ときも目を離さずに世話をする必要もない。

異常気象による天候不順で農作物が不作になることも少なくないが、近い将来に室内水耕栽培ステーションが普及して、自宅で農作物を育てることがスタンダードとなる日が訪れるかもしれない。


シリーズ:WIRED FETISH