NEC、自社工場でローカル5Gを活用した製造現場のリモート化・自動化の有効性を実証

NECとNECプラットフォームズは、NECプラットフォームズ甲府事業所内に4.7GHz帯のローカル5G環境を構築、ピッキングロボットの遠隔操作、映像・音声の共有による遠隔作業に関する実証実験を行った。いずれもローカル5G活用の有効性が実証されたことから、2022年度中の実用化を目指している。

NECとNECプラットフォームズは2021年4月5日、NECプラットフォームズ甲府事業所にサブ6(4.7GHz帯)のローカル5G環境を構築し、製造現場のリモート化・自動化に向けた実証実験を実施したと発表した。

NECがローカル5Gのコア・基地局など無線設備の構築・運用、5Gを活用した製造業向けソリューションを提供し、NECプラットフォームズが甲府事業所内における試験設備の構築とソリューションの実用化に向けた検証を行った。期間は2020年4月から2021年3月の1年間。

実証実験の検証内容は、①ピッキングロボットの遠隔操作、②映像・音声の共有による遠隔作業支援の2点だ。

製造現場における部品の配膳業務は、「みずすまし」と呼ばれる作業者が多様なルートを使って多数の部品をピッキング・配膳しており、1日当たりの移動距離は数kmにもなる。最近は少量多品種化が進み、作業員の負荷が増大していることから、自動化により作業を効率化しようとする動きが見られる。

ところが、多種多様な部品が存在するため、ピッキング作業の自動化の難易度は高い。そこでピッキング位置まではロボットが自動で移動し、ピッキング作業についてはローカル5Gでリアルタイムに遠隔から操作することが可能かどうかの検証を行った。

ピッキング位置まではロボットが自動で移動する

実証実験では、ローカル5Gを使って映像を伝送しながら1人の作業者が2台のロボットを制御し、遠隔から8種類の部品のピッキングに成功した。また、映像を使った遠隔操作では0.2秒以上の遅延があると操作性に支障を来すとされるが、目標遅延時間である0.2秒以下を達成。ローカル5Gの活用により操作性および作業性の向上が確認された。

遠隔操作に関する実証実験の様子

このほか、Wi-Fiと比べて複数台のロボットに接続した際の影響を受けにくい、大きな出力でより広範なエリアをカバーできるなどローカル5Gの安定性も確認されたという。

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