ユーグレナによる「バイオジェット燃料が完成した」との発表を受けて、同社の株価が高騰した。ただし主原料は廃食用油で、藻類のミドリムシ由来の脂質はわずかしか含んでないとみられる。代替燃料としてのバイオ燃料の可能性はあるのか。越えるべきハードルはまだ高い。

<span class="fontBold">バイオジェット・ディーゼル燃料のプラント(下)。物流用ドローンでも試験</span>
バイオジェット・ディーゼル燃料のプラント(下)。物流用ドローンでも試験

 ユーグレナは3月15日、横浜市にあるバイオジェット・ディーゼル燃料の製造実証プラントで、米国のASTMという機関が定める規格を満たしたバイオジェット燃料が完成したと発表した。これまで同社は、バイオディーゼル燃料を製造してバスなどに供給してきたが、バイオ燃料の「本命」であるジェット機向けでも規格を満たした格好だ。発表を受け、同社の16日の株価は、前日終値よりも一時3割近く上昇した。

 ユーグレナは微細藻類のミドリムシを原料とする健康食品などを販売しており、微細藻類を原料とするバイオ燃料の開発に取り組んできた。このため、「藻類由来のエネルギーでジェット機が飛ぶ時代がいよいよ到来か」と考えた人も少なくないだろう。

この記事は有料会員登録で続きをご覧いただけます
残り901文字 / 全文1338文字

【5/16締切!】春割・2カ月無料 お申し込みで…

  • 専門記者によるオリジナルコンテンツが読み放題
  • 著名経営者や有識者による動画、ウェビナーが見放題
  • 日経ビジネス最新号12年分のバックナンバーが読み放題