ヤフーが16年10月に移転した紀尾井タワー(東京・千代田)のオフィス風景。細部にわたってヤフーが目指した理想の働く環境づくりの思想が宿っていた
ヤフーが16年10月に移転した紀尾井タワー(東京・千代田)のオフィス風景。細部にわたってヤフーが目指した理想の働く環境づくりの思想が宿っていた

 ヤフーは2020年10月、副業人材104人を受け入れる「ギグパートナー」制度の運用を始めた。7月に募集したこの制度に応募したのは4500人超。この中から104人を選抜し、事業プランアドバイザー、戦略アドバイザー、テクノロジースペシャリストの3領域で外部人材が既に働いている。

 採用された人材は多種多様だ。「20年3月から副業を認める制度ができたため応募した」と語るのはカシオ計算機でイメージング事業開発を手掛ける石田伸二郎氏。数多くのモバイル関連サービスを手掛けてきた経験を生かして高速通信規格「5G」のサービスをヤフーで作れればと意気込む。

 上場企業の経営陣もヤフーで働く。20年12月に東証マザーズに上場したばかりのKaizen Platform(カイゼンプラットフォーム)取締役CTO(最高技術責任者)の渡部拓也氏だ。ヤフーが企業向けに提供する分析サービスに対し、テクノロジースペシャリストとして定期的にアドバイスをしている。

 「規模が圧倒的なヤフーでの仕事は個人的にいい経験になる」と渡部氏が手応えを語れば、「ヤフーは広告を除けば企業向けのサービスは少ない。知見を基にしたアドバイスがとても役に立っている」とヤフーでデータソリューション事業本部長を務める谷口博基氏もその効果を口にする。

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