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1950年6月に勃発した朝鮮戦争は、今年6月25日で丸70年となる。毎日新聞は今年1月、朝鮮戦争勃発直後に在日米軍基地の日本人労働者が前線で戦闘行為に加わっていたことを示す米軍作成の極秘文書を入手した。朝鮮戦争では韓国を支援するため米国を中心とする国連軍が編成されたが、日本は参加していない。しかし入手した文書には日本人に死傷者が出ていたとの記述も残る。極秘文書に残る「従軍」した日本人とは。その家族や関係者を訪ねた。
朝鮮戦争、隠された米軍帯同の日本人犠牲者 日米両政府が「密航者」扱いした背景
毎日新聞
2020/11/23 20:28(最終更新 2/14 18:06)
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70年前に勃発した朝鮮戦争で、米海軍の掃海艇に乗り込んだ日本人犠牲者の存在が外務省外交史料館の公文書で裏付けられた。朝鮮戦争の日本人死者を巡って、政府は戦闘に関係したとみられる犠牲者を長く極秘にしてきた。その全容はいまだ判然としない。【飯田憲】
基地労働の延長線に「戦場」
外交史料館の文書によると、米海軍の掃海艇に乗船して死亡した福岡県小倉市(現北九州市)の男性(当時26歳)は、朝鮮戦争開戦の約1年半前、1948年11月に掃海艇パートリッジの「雑役夫」として雇われていた。朝鮮戦争に急きょ駆り出されたのではなく、元々米掃海艇で働いていたとみられる。なぜ朝鮮戦争に動員されたのか。99年5月に毎日新聞が報じた、元在日米軍基地従業員で米掃海艇の触雷事故を目撃した神奈川県横須賀市の男性の証言にヒントがある。
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