7月31日に新著『プロトタイプシティ 深圳と世界的イノベーション』(KADOKAWA)を出版することになった。前著の『メイカーズのエコシステム』(インプレスR&D)と同様、筆者が藤岡淳一・ジェネシスホールディングス社長とともに主催しているニコ技深圳コミュニティのメンバーが共同で執筆したもので、深圳でイノベーションが起こるエコシステムを解き明かそうとしている。

遺産、レガシーのなさが生んだ「プロトタイプシティ」

 深圳は歴史のない街だ。産業は改革開放後、外資が主導して生み出したもので、住民は仕事を求めて移ってきた人が大多数を占めている。現在でも深圳生まれの人に出会うのはまれだ。既得権のない移民たちの新興都市として成長を続けていることが、ほかの街ではあまり見られないドラスチックな変化を生んでいる。

深圳の電気街、華強北。上は2014年、下は2019年に撮影したもの
深圳の電気街、華強北。上は2014年、下は2019年に撮影したもの
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