娘がみるみる痩せていく…若年層の摂食障害 命の危険、その背景

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養護教諭を対象にした勉強会で摂食障害患者の傾向について説明する九州大病院の高倉修医師=福岡市東区で2019年12月23日午後2時15分、飯田憲撮影
養護教諭を対象にした勉強会で摂食障害患者の傾向について説明する九州大病院の高倉修医師=福岡市東区で2019年12月23日午後2時15分、飯田憲撮影

 拒食や過食などの症状がある「摂食障害」の低年齢化を示唆するデータが明らかになった。近年、SNS(ネット交流サービス)の発達と思春期の子どものやせ願望との関係は強まっているとみられ、長引く新型コロナウイルス禍のストレスから若年層の患者が増える可能性を指摘する専門家もいる。現状を探った。【飯田憲】

小学高学年女児、体重13キロに激減

 「食べなさいっていう人はみんな敵に見えた」

 記者の取材に応じた福岡県の小学校高学年の女子児童は、2020年3月から拒食症になった。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため政府が打ち出した全国一斉の臨時休校が同月2日に始まり、4歳から続けてきたダンスレッスンができなくなった。鏡に映る体形が気になりだしたのがきっかけだった。食事を何度か抜くと運動をしなくてもすぐに痩せたため、自然と食べなくなった。

 一緒に暮らす40代の母親は20年8月まで娘の異変に気づかなかった。食事を隠したり、怒りっぽくなったりして、娘がみるみる痩せていく様子に戸惑った。反抗期の影響かと思ったが、かかりつけ医から摂食障害の疑いを指摘され、20年9月に専門治療ができる九州大病院に相談した。

 病気と認めたくない女児が自宅での治療を選択。母親は、自ら摂食障害の情報を集める他、病院を受診しない間は主治医からの指示で定期的に脈や血圧を測るなどし、学校の養護教諭とも連絡を取り合って食事をさせようとした。しかし、女児は抵抗し続け、翌10月に身長140…

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