デジタル庁人材を悩ます霞が関の「紙とメール」

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記者会見に臨む平井卓也デジタル改革担当相=東京都千代田区で2021年4月9日午前9時34分、後藤豪撮影
記者会見に臨む平井卓也デジタル改革担当相=東京都千代田区で2021年4月9日午前9時34分、後藤豪撮影

 菅義偉首相の肝いりで、9月1日に発足する「デジタル庁」。その主力として期待されているのが、IT企業などで活躍してきた民間人材だ。既に採用が始まり、数十人が霞が関で働き始めているが、民間人材が内部から見た「カスミガセキ」はどう映っているのか。話を聞くと、「デジタル劣等国」とも言われる日本の問題点も見えてきた。【後藤豪/経済部】

 「彼らは『十分役に立ちたい』という思いで来ている。『こんなはずじゃなかった』というふうにはしたくない」。平井卓也デジタル改革担当相は4月9日の記者会見で、民間人材の活用に意欲を示した。

 デジタル庁は内閣直轄で、他の省庁への勧告権など強い総合調整機能を有する、日本のデジタル化の「司令塔」だ。4月にはデジタル庁の母体となる内閣官房IT総合戦略室(IT室)に、エンジニアや採用活動を行うリクルーターなど計35人の民間人材を採用。今後も採用を重ね、庁発足時には常勤・非常勤合わせ120人程度の民間人材が新たに「霞が関の住民」となる予定だ。

資料は印刷「画面で見た方が楽なのに」

 第1陣としてIT室に採用された民間人の多くは、週2~3日程度、非常勤で働いている。平井氏は「スタートアップ企業を立ち上げるような感覚だ」と話し、デジタル庁を民間に近い組織にしたい考えだが、民間出身者に話を聞くと、早くも「文化の違い」に直面し…

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