アニメ「名探偵コナン」の劇場版最新作「緋色の弾丸」が、先月4月16日に公開され、週末動員ランキングは3週連続で首位、興行収入は公開から20日で56億円を突破しました。
これは緊急事態宣言下にもかかわらず、シリーズ最高の興行収入記録93.7億円を持つ前作「紺青の拳」(2019年公開)に負けず劣らずの勢いで、今年はついに興行収入100億の大台を突破するかと、より一層注目が集まっています。
「ドラえもん」や「ポケットモンスター」など、毎年の劇場版公開が恒例となっているアニメ作品は他にもありますが、その中でも近年の劇場版「名探偵コナン」の勢いは断トツです。
他ではみられない本作独自のこの盛り上がりには、一体どんな要因があるのでしょうか。
ファンが“卒業”しない作品
劇場版の公開が毎年恒例となっているアニメの中でも、「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」、「ポケットモンスター」と「名探偵コナン」の4シリーズは、ヒットの目安と言われる興行収入10億円超えの常連作で、アニメだけでなく邦画全体からみても、年間興行ランキングの上位に入っています。
ただしグラフ1をみても分かる通り、どの作品もここ10年程安定した興行収入を保ってはいますが、記録を年々伸ばし続けているのは「名探偵コナン」のみです。
グラフ1. 4作品の興行収入推移2011~2019年(日本映画製作者連盟公表データを基に筆者作成 ※「クレヨンしんちゃん」2012年は興収10億以下で該当データが無いため表記せず)
こうした違いが生まれた要因として、「名探偵コナン」は、観客の“卒業率が低く、再履修率が高い”作品であることが挙げられそうです。