サッカーWEリーグから社会へ挑戦状 プロ化の先に描く未来とは
毎日新聞
2021/5/7 06:30(最終更新 5/8 15:34)
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今まで切り込めなかった分野へ挑戦する意欲をヒシヒシと感じさせるのが、9月に開幕するサッカー女子の「WEリーグ」だ。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の女性理事の割合が、森喜朗前会長の女性蔑視発言のドタバタを機に目標の40%を超えたことは記憶に新しいが、こちらは最初から各クラブの役職員の50%以上が女性。集客など課題は多いが、新風を吹かせてくれそうだ。
国内初の女子プロリーグとして設立されるWEリーグの意義を、日本サッカー協会の田嶋幸三会長は昨年6月の記者会見で「なでしこジャパン(女子日本代表)を強くすることを第一に考えているが、ジェンダーイコーリティー(男女格差の是正)を考え、社会を大きく変えるチャンス」と説いた。男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数」で日本は156カ国中120位と世界から大きく遅れているが、WEリーグは各クラブに役員への女性起用を求め、リーグのトップ「チェア」には元代表選手で米金融大手に勤務してきた岡島喜久子氏が就いた。
15人以上のプロ契約
WEリーグは11クラブで発足し、数年かけてクラブ数を増やしていく方針だ。これまで国内の女子のプロ選手は一握りだったが、「女子プロサッカー選手」という職業を確立させるため、各クラブに15人以上のプロ契約を求めた。年俸460万円以上のA契約は5人以上、460万円未満(最低270万円)のB、C契約は10人以上としている。これにより、選手の生活は大きく変化した。
三菱重工浦和の選手の多くは昼間に仕事をし、夕方以降に練習していたが、…
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