完了しました
ゼネコン大手の大成建設と携帯電話大手のソフトバンクが、遠隔操作で細胞培養を進めることができる新システムを開発した。大成建設のロボットアーム技術と、ソフトバンクが提供する高速・大容量通信規格「5G」を活用した。人手不足に悩む再生医療の現場での導入につなげたい考えだ。
細胞培養では、必要な量の培養液を吸い上げて他の容器へ移す作業が繰り返し必要になる。長時間にわたる作業を正確にこなさなければならず、作業にかかわる人手不足が深刻化している。新システムを活用すれば、限られた人数でも効率的に培養を進められると期待される。
両社が3月に行った実験では、東京で操作用のロボットを使って作業を行い、5Gでつながった大阪のロボットアームが瞬時に再現できることを確認した。こうした作業を瞬時に行えるシステムは国内初という。
ロボットアームによる培養作業は、人が行うよりも雑菌混入のリスクを減らすことができるため、衛生面での利点もある。
細胞培養の需要は、再生医療の発展に伴って急速に高まっているが、担当者の熟練度によって結果が左右される問題も指摘される。両社は、将来的には人工知能(AI)を活用し、熟練した担当者の手の動きをデータとして蓄積することで、人を介在させずに難易度が高い培養作業を進められるようにしたい考えだ。