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米財務長官、バイデン氏の経済計画でインフレ圧力を予想せず

  • CEA委員長はインフレが一時的との見解示す
  • サマーズ氏やコリンズ上院議員らが懸念表明

イエレン米財務長官は2日、バイデン大統領の経済計画について、需要の押し上げが10年間に分散されるため米国でインフレ圧力を生じさせることはないだろうとの見通しを明らかにした。

  同長官はNBCの番組「ミート・ザ・プレス」で、「私はインフレが問題になるとは思わない。問題になれば、われわれはそれに対処する手段がある」と指摘。長官は提案されている支出に関して「それは8-10年間に非常に均等に分散される。このため需要の押し上げは大きくない」と語った。

  同長官は米国には経済に投資を行う「財政余力」があり、今後も低金利が続く可能性が強いが、長期的には財政赤字を抑制する必要があるとも発言した。

  また、米大統領経済諮問委員会(CEA)のラウズ委員長は「フォックス・ニュース・サンデー」で、米国が新型コロナウイルスのパンデミックを抜け出す中で、米経済の一部で顕在化しているインフレは「一時的なものだ」との見解を示した。

  イエレン長官とラウズ委員長は総額1兆8000億ドル(約197兆円)の「米国の家族のための計画」が先週公表された後で、発言した。

  米国や主要国の景気が回復する中で銅相場などが大幅に上昇しているほか、3月の米国の個人消費支出(PCE)総合価格指数は、前年同月比2.3%上昇と2018年以来の大幅な伸びを示した。

  こうした状況で一部の専門家はインフレを懸念しており、サマーズ元財務長官は4月30日、ブルームバーグテレビジョンで、バイデン政権の経済計画が米経済を過熱させる恐れがあると語った。議会でも共和党のコリンズ上院議員らが同様の見解を表明している。

原題:
Yellen Says Doesn’t See Biden Plan Stoking U.S. Inflation (1)(抜粋)

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