「コアラのマーチ」の陰にも安川 自動化の「請負人」
2020年秋、安川電機社長の小笠原浩(65)は新型コロナウイルスの感染拡大が一時的に収まった合間をぬって、東京近郊にある顧客の電子部品メーカーを訪ねた。電子部品業界は、コロナで受注の先行きが見通しづらくなっていた。「工場のラインを少ない人員でも動かせるようにしたい」「生産効率をもっと上げられないか」。小笠原が取引先の経営者から受けたのは、切実な相談だった。
顧客の悩みを聞きに
グローバルで競争が...
「産業界の黒子」。安川電機のビジネスはそう例えることができる。一般の知名度が高いわけではない。だが、同社の産業用ロボットなどは、自動車や半導体をつくる工場にはなくてはならない。そんな会社が「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を掛け声に、変身に挑み始めた。