阪神の勢いが止まらない。18日のヤクルト戦も今季初の2桁得点をマークしてチームは5年ぶりの7連勝。この日の猛攻は4安打の固め打ちをみせた近本のバットが導いた。「狙い球ではなくても打てると思ったら、しっかり打つ」という積極的な姿勢で不振を打開した。
一回、先頭で初球を左前にはじき返して出塁し、先制のホームを踏んだ。三回無死一塁では、雨でグラウンドが緩んできていたのを利用し、意表を突くセーフティーバントを決めて好機を拡大。この回5得点のビッグイニングにつなげた。春季キャンプでは小技の名手だった川相昌弘臨時コーチにバントの際の足の使い方を教わり、指導をしっかりとプレーに生かした。
四回にも内野安打を放ち、八回には左前打。復調の足掛かりをつかみ、「今までずっと(チームの)足を引っ張っていたけど、今日は自分が塁に出て、本塁にかえってくる状況を作ることができた」と自信も取り戻してきた。
リードオフマンの不調は心配の種だっただけに、矢野監督も「練習では悪くないのに結果が出なくて、もがいていた。俺が『今日は打てるぞ』とおまじないをしていた」と笑顔。近本に上昇の兆しがみえたのは何より心強い材料だ。(上阪正人)