【動画】「娘は動物ではない」と涙…入管収容で死亡したスリランカ女性の遺族、警察の捜査求める

2021年4月16日 22時00分
名古屋入管で収用中に亡くなったウィシュマさん(中央)。「日本の子どもに英語を教えたい」と来日した。子どもが大好きだったという(遺族提供)

名古屋入管で収用中に亡くなったウィシュマさん(中央)。「日本の子どもに英語を教えたい」と来日した。子どもが大好きだったという(遺族提供)

  • 名古屋入管で収用中に亡くなったウィシュマさん(中央)。「日本の子どもに英語を教えたい」と来日した。子どもが大好きだったという(遺族提供)
  • スリランカからリモートで記者会見する名古屋入管で死亡したウィシュマさんの母スリヤラタさん(中)と2人の妹
 名古屋出入国在留管理局で収容中に死亡したスリランカ人女性ウィシュマさん=当時(33)=の遺族が16日、スリランカの自宅からオンラインで記者会見を開き、母親は「娘は動物でなく人間だ。入管はなぜ『点滴して』と言ったのにしなかったのか。原因が知りたい」と涙ながらに訴えた。(望月衣塑子)
 会見したのは、母親のスリヤラタさん(53)、次女のワヨミさん(28)、三女のポールニマさん(26)。3人によると、ウィシュマさんはスリランカ大を卒業後、地元で英語を教えていた際、日本人の子どもと出会い「いつか日本の子どもに英語を教えたい」と願うようになったという。次女は「お金のない子どもに無料で授業をしたり、みんなに優しかった」と涙ぐんだ。
 母親が家を抵当にローンを組み、2017年6月に来日。日本語学校で学んだが、学費が払えず退学。18年10月に「心配しなくて大丈夫。何かあったら連絡する」との電話を最後に連絡が途絶えた。しかし、スリランカの教え子にはその後もSNSで「日本人は優しい。機会があれば日本に来て」と勧めたという。
 会見前に遺族は入管庁の説明を聞いたが、次女は「(入管庁の担当者は)質問に答えず、逃げていた」と批判。母親は「ビデオも写真もなく疑問だ。なぜ入管が調査をしているのか。警察に捜査してほしい」と涙ながらに訴えた。
 ウィシュマさんは不法残留となった後、退去強制命令を受け、昨年8月から収容中、体調不良を訴えていたが、今年3月6日に搬送先の病院で死亡が確認された。法務省は9日、中間報告を公表したが死因は判明していない。

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