今期はなんと14本!「深夜の30分ドラマ」が絶大な支持を集めている裏事情

短いからこその良さもある

バラエティー枠やアニメ枠が次々と

気がついてみると、午後11時以降の深夜に放送される30分ドラマがやたら多くなっていた。

10年前には在京キー局で週に計2本しかなかったが、この4月末までには同14本に。10年の間に深夜のバラエティー枠やアニメ枠が次々と30分ドラマに変わった。

「コロナ禍もあって『ドラマって大事だよね』という風潮が高まっていることも背景にあります」(元MBSプロデューサーで同志社女子大メディア創造学科の影山貴彦教授)

テレビ朝日の土曜日午後11時台は30分ドラマの2階建て、テレビ東京の水曜日深夜0時以降に至っては3階建て(40分、30分、30分)だ。深夜1時過ぎの通称・ド深夜に放送されるものも3本ある。 

 

ドラマの復権を受けてのことなのは分かるが、どうして30分なのだろう。

「現代人は堪え性がないようで、それも影響しているでしょう。教え子と話していて驚いたのが、(動画配信の)映画を15分とか20分ずつ分断して見るそうです。倍速で観るという学生もいます」(影山教授)

現代人の生理には短いドラマのほうが合うらしい。その背景には、2005年に誕生し、すっかり定着したYouTubeもありそう。このコンテンツは30分以内のものがほとんど。短い映像に慣れてしまったようだ。

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短いほうが動画配信と親和性が高く、局側が2次利用しやすいという事情もある。

「けれど最初から2次利用狙いで30分ドラマが作っていると言うのは言い過ぎです」(影山教授)

動画配信はあくまで副産物。大半の30分ドラマは地上波の視聴者向けに作られている。GP帯(午後7時~同11時)の1時間ドラマよりお手軽に作られているわけでもない。

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