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アフガン政権崩壊

イスラム主義組織タリバンが2021年8月15日、首都カブールを制圧し、勝利宣言。ガニ政権が崩壊しました。

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米軍アフガン撤退決断の背景 バイデン氏と国防総省、意見相違か

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自爆テロがあった現場に到着した駐留米軍の兵士=アフガニスタンの首都カブールで2013年5月16日、AP
自爆テロがあった現場に到着した駐留米軍の兵士=アフガニスタンの首都カブールで2013年5月16日、AP

 バイデン米大統領は、自身を含め過去4人の大統領の下で続いてきたアフガニスタンへの米軍駐留について「5人目には引き継がない」と明言し、撤退への強い決意を国内外に示した。期限は、米同時多発テロから20年の節目となる今年9月11日。決断の背景には何があったのか。そしてアフガン情勢はどう動くのか。【ワシントン鈴木一生、ニューデリー松井聡、ブリュッセル岩佐淳士、ベルリン念佛明奈】

 14日のホワイトハウスの演説で撤退を表明したバイデン氏。演説直後に訪れたのは米首都ワシントン近郊にあるアーリントン国立墓地だった。アフガンなどで命を落とした軍人が眠る墓石の前をゆっくりと歩き、設置された花輪に向かって敬礼。記者団に「(完全撤退の)判断は難しかったか」と問われると、「困難ではない。絶対的に明確なことだった」と語った。

 国防総省幹部らの間では駐留継続論が根強かった。米政治メディア「ポリティコ」によると、バイデン氏が完全撤退の検討を指示した際、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長ら幹部は、アフガンがテロの温床となるのを防ぐため、数千人規模の駐留米軍を維持する必要があると主張した。しかし、バイデン氏はこうした助言をはねのけ、撤退を決断した。その背景にあったのは「米国史上最長の戦争」を終わらせるのが自分の…

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