「スーパークレイジー君」当選無効に不服申し立て 埼玉・戸田

逮捕された宮崎市議の「スーパークレイジー君」
逮捕された宮崎市議の「スーパークレイジー君」

 1月の埼玉県戸田市議選で初当選し、公選法で定める市内での3カ月以上の居住実態がないとして市選挙管理委員会から当選無効の決定を受けたスーパークレイジー君(本名・西本誠)氏(34)が13日、決定を不服として県選管への審査申し立てを行い、受理された。県選管は60日後をめどに当否を判断する。西本氏は記者会見で、県選管が当選無効を決定した場合は公選法の規定に基づき東京高裁に提訴すると表明した。

 西本氏の当選無効が確定した場合、落選者のうち最も得票が多かった公明党新人の三浦伸雄氏(38)の繰り上げ当選が決まる。

 西本氏は1月31日の市議選に立候補するため、昨年10月5日に東京都中央区から戸田市に住民票を移した。選挙後の今年2月、居住実態がないとして西本氏の当選無効を求める異議申し出が市選管に寄せられ、市選管は今月9日、調査の結果から「生活の本拠を移したとはいえない」と判断し当選の無効を決定した。

 西本氏は13日の申し立て後、埼玉県庁で記者会見し「市議選で応援してくれた人のためにも徹底抗戦したい」と強調、居住実態があったと重ねて主張した。

 「アパートの賃貸契約の名義人が西本氏ではない」という市選管の指摘に関しては「逮捕歴があり契約できなかったため、後輩の住居に入居した」と説明した。また、出馬の際、賃貸契約の名義人が自身ではないことを市選管の担当者に口頭で伝え、「居住していれば大丈夫だ」という趣旨の返答を得たと主張した。

 市選管は、東京都内の旧住所に妻子が居住し続けていることも当選無効決定の根拠として挙げているが、西本氏は「妻の仕事や子供の学校の事情で別居していた」と反論した。

 代理人の加藤博太郎弁護士は「事実の評価に誤りがある。慎重な手続きが必要だった」と市選管の決定を批判した。

 西本氏は、特攻服姿で街頭演説に臨むなどの独自の選挙戦で注目を集め、市議選で当選者26人のうち25番目の912票を獲得した。(内田優作)

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