情報の影響力、SNSより人間心理が増幅 佐藤卓己氏
パクスなき世界 京大教授
SNS(交流サイト)で飛び交うフェイクニュース(偽情報)が世界を揺らし、新型コロナウイルス対策として情報統制に乗り出す国家も相次ぐ。情報や新技術とどう向き合えばいいのか。メディア史を専門とする京都大の佐藤卓己教授に聞いた。
――今年1月に米連邦議会議事堂が一時占拠された事件では、陰謀論や偽情報などが問題視されました。
「偽情報だけのせいで暴動が起きたとはいえない。暴徒が議事堂に突入したのは、米大統領選の結果に対する怒りが発端だと考える方が自然だ。SNS上の偽情報や陰謀論以前に
新型コロナウイルスの危機は世界の矛盾をあぶり出し、変化を加速した。古代ローマの平和と秩序の女神「パクス」は消え、価値観の再構築が問われている。「パクスなき世界」では、どんな明日をつくるかを考えていく。