岐路に立つマスターズ 名門ゴルフコースを揺るがす事情とは

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オーガスタ・ナショナルのコース改造に大きな影響を与えたタイガー・ウッズ=千葉県印西市のアコーディア習志野CCで2019年10月28日、藤井達也撮影
オーガスタ・ナショナルのコース改造に大きな影響を与えたタイガー・ウッズ=千葉県印西市のアコーディア習志野CCで2019年10月28日、藤井達也撮影

 「ゴルフの祭典」マスターズ・トーナメントの舞台となるオーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)が、岐路に直面している。8日に開幕した米男子ゴルフの2021年メジャー初戦は今回で85回を数える伝統の大会だが、異次元の飛距離を誇るゴルファーの出現で、世界屈指の名門コースの看板が揺らいでいる。

常識打ち破った「ゴルフ科学者」

 オーガスタ制圧に意欲を燃やすのは、昨年の全米オープンを制したブライソン・デシャンボー(米国)だ。大学で物理学を専攻した「ゴルフ科学者」は、プロ転向時からアイアンのシャフトの長さを全て同じにするなど独特の理論で話題を集めてきた。さらにコロナ禍で米ツアーが中断した昨春にトレーニングで筋骨隆々の肉体を手にし、飛距離も飛躍的に伸びた。昨年9月には「世界で最も難しい」と評判のメジャー大会の全米オープンで、4日間の平均飛距離325・6ヤードの圧倒的なパワーで難コースを攻略。「飛距離だけでは勝てない」という常識を打ち破った。

 今年もパワーは健在だ。3月のアーノルド・パーマー招待では規格外の飛距離でツアー通算8勝目を飾った。コース左側に広大な池を抱える6番パー5(555ヤード)の名物ホールで、デシャンボーは3日目と最終日にドライバーで池越えの1オンを狙い、370ヤード超をかっ飛ばしていずれもバーディーを奪った。そんなデシャンボーの驚異的なパフォーマンスを受け…

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