中国BYD、EV全車種に新型電池搭載
【重慶=川上尚志】中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)は7日、自社のEV全車種に独自開発した新型電池を搭載すると発表した。性能や安全性を高めたのが特徴で、これまでは一部車種だけで導入していた。同日発売したEV4車種で搭載するほか、既存の車種も順次、電池を新型に切り替えていく。自社電池の性能をアピールし、外部への供給拡大も目指す。
BYDはグループの電池事業子会社「弗迪電池」が開発した車載用リチウムイオン電池「刀片電池」の採用を広げる。刀片電池はリン酸鉄リチウムという材料を使い、従来型の電池に比べ小型化しつつ航続距離も最大600キロメートル程度まで高められるという。
BYDはこの刀片電池を自社のEVで全面的に採用していくほか、外部への供給も進める。すでに中国の国有自動車大手、中国第一汽車集団の主力車「紅旗」向けに納品を始めた。同日に内陸の重慶市で開いた発表会で王伝福董事長は「(中国内外の)あらゆる自動車メーカーと刀片電池(の供給)について提携を交渉中だ」と明らかにした。
発表会では50㌧近い重さのトラックで同電池を踏んでも壊れずに使えるとする動画を紹介。王董事長は「電池の安全性を確保できなければEVは商品として信頼されない」と語り、安全性をアピールした。
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