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政府が中央省庁で働く国家公務員の残業時間を調べたところ、昨年12月~今年2月に「過労死ライン」とされる月100時間を超えて残業した職員が延べ2999人に上ることが分かった。最も多いのは財務省の553人だった。
政府が3月30日に閣議決定した答弁書によると、2999人は43の府省庁などのうち35に及んだ。新型コロナウイルス対応が残業の主な原因で、最多の財務省では新年度予算の編成作業も影響した。厚生労働省の497人、農林水産省の250人が続いた。
最も残業時間が長かったのは、内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策推進室の職員で364時間(1月)だった。人事院規則では、残業時間の年間上限を原則「360時間」としており、1か月だけで年間上限を超えていた。続いて、経済産業省の326時間(同)、財務省の266時間(同)となった。
過酷な残業の実態は、働き方改革や、新型コロナの感染拡大を受けたテレワークの推進にも逆行し、若手官僚の退職増につながっているとされる。採用試験の申込者数もピーク時から半減しており、人事院幹部は「優秀な若手人材を呼び込むためにも是正は急務だ」と話している。