ちょうど今週(4/7水〜4/11日2021年)から世田谷でがっちゃんこと”GAKU”の個展が始まる(詳細:blog.livedoor.jp/gacchan_blog/archives/84272943.html)。ちょうど良い機会なので告知も兼ねて、今回は現在のがっちゃんの「SDGsアーティストGAKU」としての活動の話をしたい。
ここまでの連載では自閉症の子育ての話として、息子である自閉症がっちゃん(現在19歳)の幼い頃の話をしてきた。
そんなGAKUが絵を描き始めるようになったのは16歳の時だ。それまでは絵を描くことはしなかったし、そんな兆候も特に見せてはいなかった。ところがある時をきっかけに突然絵を描くようになった。
アイムにココさんがやってきた
GAKUが絵を描くようになったきっかけは、私が息子のために始めた福祉と関係している。私は6年前に川崎市でアイムの放課後デイを開設した。
当時のがっちゃんは14歳で自閉症の多動症まっさかりであった。お世話になった支援学級では常に走り回って先生たちにはとてもよく手をかけてもらっていた。
そんな彼も中学生を卒業することになり、通常コースの支援学校にいくかどうかを決めなくてはならなかった。しかし私がみていて、がっちゃんには通常の支援学校が合わないと感じていた。そこで彼のためにノーベル高校をつくることにした。
アイムの戦略は「がっちゃんの成長に合わせて必要なものをつくる」である。重度の自閉症で、IQが暫定で30と診断されたがっちゃんに基準をおけば、ほかの発達障害の子どもたちを預かっても困ることはないと考えたからだ。
だからこれは自然な成り行きであった。このノーベル高校の話については、この連載シリーズで後々に詳細をお話するつもりだ。
彼のためにフリースクールであるノーベル高校を設立したものの、当初のがっちゃんはまったく勉強をしてくれず、机に5分と座っていることもできない。正直、私も内心「本当にこれでよかったのかな……」と心配した。
しかしそんな不安を180度変える出来事が起こる。きっかけはココさんとの出会いである。ココさんは、がっちゃんが高校1年生の2学期にアイムにやってきた。