表示灯の上田社長「地図広告 デジタル投資が必要」
地図広告を扱う表示灯が4月7日、東証2部に上場する。駅や自治体庁舎に独自の周辺案内図を置いて、近くの飲食店や病院などの位置や営業案内を掲載する「ナビタ事業」が中心だ。詳しい事業内容や戦略を、上田正剛社長に聞いた。
――御社の案内図は、駅などで多くの人が目にしています。
「案内図は当社のスタッフが作成、色や文字、イラストを工夫してわかりやすく伝えている。これまで設置した駅は全国2500以上で、主要な駅にはほぼ置かせてもらっている。ライバル会社は参入しにくい。案内図の設置やメンテナンスにかかる費用は当社が負担している」
――今後はどうやって利益成長を目指しますか。
「案内図に広告を掲載してもらっているスポンサー企業は8万件近くある。今後は開拓余地が大きい病院や神社にも設置を増やすほか、バス車内の映像画面など新しい分野に進出していく。2020年は新型コロナウイルスが流行して、一時的に営業活動ができなかった時期もあったが、特定の業種に依存していないため、影響は限られた。ナビタのスポンサーは名前と所在地、電話番号の基本広告料が年7万円で、景気が悪くても契約を維持してもらいやすい」
――1967年に創業しています。この時期に上場する理由は何ですか。
「過去にも上場を検討した時期はあったものの、経済情勢が悪くて見送った経緯がある。広告業界で新興勢力が台頭している。当社の成長にはデジタルサイネージやそのシステムなどに思い切った設備投資が必要で、その資金を確保したい。株主還元として配当性向30%以上(20年3月期は17%)をめざしたい」
(聞き手は角田康祐)
新規株式公開(IPO)を目前に控えた企業の経営トップが、事業内容や上場後の成長戦略を語ります。