中国包囲に向けて、バイデン政権が「日本との同盟」を重視している深いワケ

期待は大きい

インド太平洋政策の重視

ベストミックス、つまり効果的に政策を組み合わせているとの評価を下すことができるだろう―――アメリカのバイデン政権はインド太平洋地域の重視を打ち出し、積極的な外交を展開している。

対面に加えてオンラインという手法を組み合わせ、サミット、2+2、国防長官の単独訪問といったさまざまなフォーマットを駆使し、同盟国だけでなく良好な関係を築いているパートナーも対象とすることで、インド太平洋政策のベストミックスを実現している。念頭にあるのはもちろん「既存の国際秩序と合致しない行動」(日米共同発表で使われた表現)を加速させている中国だ。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

インド太平洋において日米から中核的な役割を期待されているのが、日本、アメリカ、オーストラリア、インドの日米豪印Quadである。Quad各国は、豪州に対する経済強制をはじめ、それぞれが中国と深刻な問題を抱えている。Quadの対話レベルは、トランプ政権により外相級に、バイデン政権により首脳級へと一貫して引き上げられており、その将来性には大きな期待が集まっている。

今回のオンラインサミットでは、ワクチン、重要・新興技術、気候変動についての作業部会の立ち上げという成果も上がった。だが協力の制度化はこれからが本番といえよう。

この地域の平和と安定を維持する上で依然として最も重要なのは、抑止力と対処力を兼ね備えた日米同盟だ。バイデン政権はこうした考えを明らかにするため、ブリンケン国務長官、オースティン国防長官の初の外遊先として東京を選んだ。

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