米ディズニーランド、4月30日に再開 ワクチン進展映す
【シリコンバレー=佐藤浩実】米ウォルト・ディズニーは17日、西部カリフォルニア州アナハイムにあるテーマパークを4月30日に再開すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を理由に閉園してから約13カ月ぶりとなる。米国では映画館やコンサート会場の営業許可も広がっており、バイデン政権が注力するワクチン接種の進展を象徴する。
ボブ・チャペック最高経営責任者(CEO)が米経済テレビCNBCの番組に出演し、「ディズニーランドリゾート」にある2つのテーマパークの再開計画を明かした。両パークは2019年に延べ2852万人が訪れていたが、米国でコロナ感染が広がり始めた20年3月14日に閉園した。一部の商業施設を除いて1年あまり営業を休止しており、州の保健当局がコロナ関連の規制を緩めたことで再開のめどがついた。
州の指針に基づき、当面は来園人数を収容可能数の15%に抑えるという。ワクチンの接種が進めば順次、来園予約を受け付ける人数を増やす。チャペック氏は「(先に再開した)フロリダ州のディズニーワールドなどで、人々のテーマパークへの熱意と渇望を目の当たりにした。需要は十分にある」と話した。再開に向け、無給の休業状態だった従業員1万人が仕事に復帰する見通しだ。
ディズニーは世界6ヶ所にテーマパークを持ち、各地のコロナ規制に応じて20年5月から順次再開を進めてきた。ただ本社のお膝元にある米ディズニーランドだけは20年3月から一度も開いておらず、業績不振の主因になっていた。20年10〜12月期の米国のテーマパーク事業は営業損益ベースで7億9800万ドル(約870億円)の赤字だった。
稼ぎ頭のテーマパークを再開にこぎ着けることで、業績の改善が進む可能性は高まる。ファクトセットのアナリスト予想によれば、20年9月期に28億6400万ドルの赤字だった同社の最終損益は、21年9月期には15億ドル規模の黒字に転換する見通しだ。チャペック氏は休止中のクルーズ旅行事業についても「21年秋までに再開したい」と述べた。
娯楽施設で広がる再開
米国ではコロナ感染状況の改善とワクチン接種の進展に伴い、娯楽施設の再開が広がっている。東部ニューヨーク市では3月、映画館が約1年ぶりに営業を再開した。カリフォルニア州は4月から、観客を伴うスポーツ観戦を人数制限付きで容認する。
米疾病対策センター(CDC)によると米国の新規死者数(15日時点、7日移動平均)は1192人で、ピークだった1月中旬と比べて約3分の1に減った。少なくとも1回ワクチンを接種した人は7213万人にのぼり、人口の2割を上回る。バイデン大統領は「5月末までに米国の全成人分のワクチンを確保できる」としている。
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