クレディ・スイスは事前に問題認識、グリーンシル氏が主張-裁判文書
Jonathan Browning-
グリーンシル氏、クレディS幹部に定期的に情報更新
-
クレディSのファンド凍結と同日、豪裁判所は保険更新の請求を拒否
サプライチェーン・ファイナンスを手掛ける英金融ベンチャー、グリーンシル・キャピタルの創業者レックス・グリーンシル氏は、経営が破綻する数週間前にクレディ・スイス・グループに対し、融資債権の保険確保が難航していると警告していたと主張した。
新たに開示された裁判文書によれば、グリーンシル氏はオーストラリアの保険会社から46億ドル(約5000億円)の企業融資を対象とした保険契約の更新を拒否された後、クレディ・スイスのララ・ワーナー最高リスク責任者(CRO)を含む同行幹部に新たな保険契約探しの問題を抱えていることについて「定期的に情報を更新していた」と説明。グリーンシル・キャピタルが保険契約の更新に難航し、更新できない公算が大きかったことをクレディ・スイスは認識していたという。
クレディ・スイスは3月1日、グリーンシル氏が手掛けるサプライチェーン・ファイナンスの債権に投資するファンドを凍結。評価に不確実性があることが理由だとしていた。同日にはオーストラリアの裁判所が、保険会社に契約更新を求めたグリーンシル氏の主張を却下し、同氏は追い詰められた。クレディ・スイスは現在、ファンドが保有していた約37億ドルを投資家に返還する過程にあるが、最終的な返還見込み額や返還の時期には言及していない。
クレディ・スイスはコメントを控えた。同行はウェブサイトで、グリーンシル破綻問題の核心にあった保険の失効について知らされたのは「ごく最近」だと説明している。
関連記事 |
---|
原題:
Greensill Told Credit Suisse of Problems Weeks Before Collapse(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE