2011年の東日本大震災から10年を迎える今月、東京電力福島第1原発の事故後も福島県に残って原発問題と向き合ってきた清水修二・福島大名誉教授(72)=福島市=に、福島の現状と将来について聞いた。【聞き手・佐藤良一】
差別、偏見、いまだ根深く
今も多くの福島県民が県外に避難しているが、避難するか否かはそれぞれの選択で、互いに尊重し合うべきだ。ただ、避難しなかった者からすれば、避難者が戻ってきてくれるのは純粋にうれしい。冷ややかな目で見られると心配するのは取り越し苦労だと思う。
互いの選択を認め合うと同時に、科学的な議論の土俵を共有することも重要だ。10年間で確かめられた事実をもとに、これからの選択を皆で考えたい。例えば、放射線被ばくによる健康被害については、遺伝的影響も含めて、当初心配されたような深刻な事態は避けられたというのが専門家の多数意見だ。これを、政府や東京電力にとって都合のいい主張と判断して否定するのは正しくない。
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