コロナ関連死亡者を解剖して分かった、コロナと死「本当の因果関係」

じつは健康な人はほとんど死んでいない

コロナ関連死亡者の解剖結果

コロナ関連の死亡者というのは、本当はどの程度「コロナ関連」なのか?

この疑問は、多くの人が持っているのではないか。

ハンブルクの大学病院付属の法医学研究所で、法医学者のグループが、去年ハンブルク市で死亡した「コロナ関連死亡者」735人を解剖検査した。その結果が2月18日に発表されたので、お伝えしたい。

Gettyimages

この735人には、病院で亡くなった人だけでなく、老人ホームや自宅で亡くなった人、また、何かの理由で検死に回された人も含まれる(ハンブルクの人口は、約184万人)。なお、死亡者の55%が男性。

まず、735人のうちの約50人(7%)は、新型コロナウイルスに感染はしていたものの、死因はウイルスではなかった。

また、70人は、家族が解剖を拒否したり、あるいは、解剖のために必要な書類が不備だったりしたため、検査対象から外された。つまり、実際に解剖したのは約615体。

調べ始めたら、すでに早い段階でいろいろなことがわかった。

例えば、血液をサラサラにするための抗凝固剤が投与されていたのにもかかわらず、多くの死亡者の肺動脈には血栓が見られた(その知見はすぐに治療法の改善に生かされ、抗凝固剤の投与量が増やされた)。病気には解剖してみなければわからないことは非常に多いという。

今回の発表によれば、コロナ関連の死亡者の年齢層は29歳から100歳で、4分の3は77歳以上だった。平均年齢は83歳。50歳未満の死亡者は1%で、しかも、その1%の人の全員が、心臓病か血栓症のどちらかを患っていた。

つまり、元気だったのに、コロナのせいで亡くなった人は、一人もいなかった。

 

死亡者の中には既往症が見つからない人も、ごく例外的にいたというが、それは、運悪く体に入ったウイルスの数が極端に多かったか、あるいは、何らかの原因で感染時に抵抗力が落ちていたかのどちらかのケースだろうと、医学者たちは推測している。

去年のハンブルク市の死亡者の総計は1万8500人だったそうなので、コロナ関連とされる死亡者の割合は全体の3.3%。

超過死亡数が見られたのは、4月と12月だった。8月も例年より死亡者が増えたが、しかし、これはコロナのせいではないという。猛暑のせいだろう。

ワクチンに関しては、死亡者の中にワクチン接種を済ませていた人もいたというが、ワクチンと死亡との因果関係はわからない。現在、接種を済ませた人というと80歳以上のはずなので、接種をした後、感染し、高齢も手伝って死亡してしまったということが考えられる。

なお、ワクチンは重症化を防ぐとされるが、感染する可能性はゼロにはならない。

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