「半導体に光技術でゲームチェンジ」、NTTの澤田社長
NTTの澤田純社長は日本記者クラブで19日会見し、高速通信規格「5G」の先にある次世代通信基盤について、「ゲームチェンジが可能になる」と述べた。世界のデータ通信の容量は2050年に16年比で4300倍に急増する予測を示し、熱が出る電子回路の課題を挙げ、「長年研究してきた光技術を半導体にも入れ、低消費電力、高速大容量、低遅延のインフラを実現する」と強調した。
20年12月にNTTドコモを完全子会社化した理由については「次世代の通信基盤をつくるにはドコモの成長が欠かせない。5Gの次のインフラは、より日本が関与できるエコシステムをつくる」とし、無線と固定の通信技術の融合を進める。次世代の通信分野には同業だけでなく、米アマゾン・ドット・コムなど巨大IT(情報技術)も参入し、「ボーダーレス競争が起きている」と危機感を強める。
NTTは米インテルやソニーなどと連携し、従来の100分の1の消費電力の次世代通信基盤を研究し、実用化を目指している。エネルギー分野では太陽光を活用した宇宙空間でのデータセンター構想、人工光合成、雷のエネルギーの活用の研究を進めている。
国内事業ではドコモがデータ容量20ギガ(ギガは10億)バイトで、月2980円のオンライン専用の低料金プランを始める。価格競争が激しくなるなか、小容量の料金の見直しについては「ドコモがどうするかを検討中」と述べるにとどめた。