「まるで犯罪者」 特殊詐欺の被害者に裁判所から勾引状…なぜ?

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宇都宮地裁足利支部・足利簡裁=栃木県足利市丸山町で2021年2月17日午後2時17分、太田穣撮影
宇都宮地裁足利支部・足利簡裁=栃木県足利市丸山町で2021年2月17日午後2時17分、太田穣撮影

 宇都宮地裁足利支部で開かれている特殊詐欺事件の公判で、証人として出廷を求められた被害者の男性(87)が、妻の介護を理由に拒んだところ、「勾引(こういん)状」が出され、強制的に裁判所へ連れて行かれそうになった。被害者に勾引状が出るのは異例。「何も悪いことをしていないのに、まるで犯罪者のようだ」。男性は毎日新聞の取材に怒りに声を震わせた。なぜこんな事態になってしまったのか。【玉井滉大】

 栃木県佐野市に住む男性の自宅のチャイムが鳴ったのは1月下旬のこと。玄関の引き戸を開けると、スーツを着た検察官ら5人が立っていた。「出廷していただくため、お迎えに参りました」。その手には勾引状があった。被告や証人を強制的に出廷させるために裁判所が出す命令書だ。

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