〈独自〉政府、孤独・孤立対策室を新設へ

衆院予算委員会で答弁する坂本哲志地方創生担当相・一億総活躍担当相、孤独・孤立対策担当相=15日午後、国会・衆院第1委員室(春名中撮影)
衆院予算委員会で答弁する坂本哲志地方創生担当相・一億総活躍担当相、孤独・孤立対策担当相=15日午後、国会・衆院第1委員室(春名中撮影)

 新型コロナウイルス禍で孤独や孤立の問題が深刻化していることを受け、政府が週内にも「孤独・孤立対策担当室(仮称)」を新設する方針を固めたことが15日、分かった。内閣官房に設置して各府省にまたがる孤独・孤立対策の総合調整を行い、実態調査も踏まえて対策パッケージを作る。6月に策定する経済財政運営の指針「骨太の方針」に反映させたい考えだ。

 菅義偉(すが・よしひで)首相は12日に坂本哲志地方創生担当相を孤独・孤立問題の担当と決めた。対策担当室は坂本氏の下で、子供の貧困、自殺、住居など各府省にまたがる孤独・孤立対策を調整する。厚生労働省や内閣府、文部科学省などから職員を募る方向で調整している。

 また、担当室では実態調査も行い、対策パッケージに反映させる方針だ。今月下旬には孤独対策に取り組むNPO(非営利組織)法人などを集めた緊急フォーラムも開き、対策に反映させる。

 厚生労働省のまとめによると、昨年4~6月の自殺者数は前年同月比で減少が続いたが、7月に増加に転じている。特に、女性は6月から増加が続いており、10月は889人と前年同月比90%増となるなど問題が深刻化している。政府は女性の自殺増加について、新型コロナの感染拡大に伴う外出自粛なども原因と分析している。

 坂本氏は15日、国民民主党の玉木雄一郎代表と面会し、孤独問題に「しっかり国の予算付けを目指す」と強調。実態調査も「実施したい」と語った。

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