韓国・文在寅の対日強硬姿勢「軟化」…そこに透け見える「被害者意識」の存在

政策転換の真の理由は…

従来の対日強硬姿勢を大きく修正

韓国の文在寅大統領は1月18日、新年の記者会見で日韓関係の懸案となっている元徴用工(旧朝鮮半島出身の労働者)訴訟で賠償を命じられた日本企業の韓国内資産を売却する「現金化」について、「日韓関係において望ましいとは思わない」と述べた。

これまでの司法判断を尊重するという立場を転換し、外交的交渉解決を目指す意向を示したのだ。それだけではない。慰安婦問題解決のための2015年12月28日の合意(当時の岸田文雄外相と尹炳世外交部長官の共同記者発表)についても、「日韓両政府の公式な合意だったという事実を認める」と発言、これまた従来の対日強硬姿勢を大きく修正した。

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文氏がこれまでの主張を一変した理由はいったい何なのか。報道レベルでは、(1)文政権は対北朝鮮強硬姿勢のバイデン新政権発足を前に、対日関係改善の意向を示すことによって日本に米朝首脳会談実現に向けての仲介を期待している、(2)具体的には7月の東京五輪開会式にジョー・バイデン米大統領と北朝鮮の金正恩労働党総書記を招請し、バイデン・金正恩会談を実現するべく菅義偉首相にバイデン大統領説得を期待している――というのである。

「南北融和の実現」をレガシー(政治遺産)としたい文大統領にとって背に腹はかえられないという分析が19日付新聞各紙の論調である。では、それが文氏の政策転換の真の理由だろうか。

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