アメリカ大統領就任式ドキュメント

注目

日本時間21日

バイデン氏、大統領令連発 就任初日のイベント終わる

米国の第46代大統領に民主党のジョー・バイデン氏(78)が就任する20日の一連のイベントが終わりました。バイデン氏は就任演説で「きょうは米国にとって歴史的な民主主義の日だ。民主主義は勝利した」と力説し、国民に結束を呼びかけました。世界保健機関(WHO)脱退を取りやめるなど、初日から大統領令に矢継ぎ早に署名しました。米国の亀裂を抱えた中、バイデン新政権が始動しました。

米上院、ヘインズ国家情報長官を承認(21日午前9時ごろ)

「民主主義が勝利」バイデン新大統領が就任演説(21日午前1時55分ごろ)

バイデン政権の顔ぶれは(21日)

日本時間21日正午ごろ

バイデン夫妻、バルコニーに登場 特別番組終了

20日、ホワイトハウスの上空に打ち上がる花火=ロイター

20日、ホワイトハウスの上空に打ち上がる花火=ロイター

バイデン新大統領の就任を祝う特別番組は現地時間20日午後10時(日本時間21日正午)ごろ終了しました。首都ワシントンで大量の花火が打ち上がるなか、バイデン氏とジル夫人はホワイトハウスの庭に面したバルコニーに姿を現して、拍手で謝意を示し就任初日を締めくくりました。

多くの著名ミュージシャンやオバマ、ブッシュ(第43代)、クリントンという3人の元大統領も出演した番組の最後は米国を代表する女性歌手ケイティー・ペリーさんがヒット曲「ファイアーワーク」を熱唱しました。

20日は首都ワシントンを含め、トランプ前大統領支持者による暴動は伝わっておらず、混乱はひとまず避けられました。ただ、警備が緩めば抗議活動が再び強まる恐れがあります。バイデン政権は米社会の分断克服という難題に取り組むことになります。

日本時間21日午前

就任初日に出した大統領令や指示は

バイデン米大統領は就任初日の20日、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に復帰する大統領令に署名しました。これ以外にも世界保健機関(WHO)脱退取りやめ、移民政策の見直しなどを巡って大統領令や指示を矢継ぎ早に繰り出し、トランプ前政権からの政策転換を国内外に示しました。

日本時間21日午前11時半ごろ

ハリス副大統領「暗黒期でも行動」就任特別番組で

20日、就任を祝う特別番組で国民に語りかけるハリス米副大統領=ロイター
20日、就任を祝う特別番組で国民に語りかけるハリス米副大統領=ロイター

ハリス米副大統領は20日、就任を祝う特別番組で「我々は(新型コロナウイルスの感染拡大などによる)暗黒期でさえ、夢を見るだけでなく行動できる」と語りました。南北戦争でのリンカーン大統領や公民権運動でのキング牧師の行動を引き合いに出したうえで、「私たちが共にできることを信じよう」と、改めて米国民へ結束を呼びかけました。

ハリス氏のメッセージの後に、ソウル歌手のジョン・レジェンドさんが披露したのは、人権活動家でもある黒人女性歌手ニーナ・シモンさんが歌ったことで有名な「フィーリング・グッド」です。「新たな夜明け」、「新たな人生」という歌詞があります。

日本時間21日午前11時ごろ

ティンバーレイクさん、新曲披露で大統領就任祝福

人気歌手のジャスティン・ティンバーレイクさんは20日、バイデン米新大統領の就任を祝う特別番組で、シンガーソングライターのアント・クレモンズさんとともに新曲「ベター・デイズ」を披露しました。SNS(交流サイト)を通じて同曲を歌うことを公言しており期待が高まっていました。

曲の中には「トンネルの終わりに光がある」「よりよい日がやってくる」という前向きな歌詞があります。新型コロナウイルスの終息を祈ることに加えて、新政権への移行を期待するようなメッセージとなっています。

日本時間21日午前10時55分ごろ

バイデン氏「米の歴史は全員のもの」 国民へ呼びかけ

バイデン新大統領は20日夜、就任を祝う特別番組で「米国の歴史は誰かひとりによるものではなく、米国民全員のものだ」と国民に対して呼びかけました。

バイデン氏は「我々は(新型コロナウイルスの)パンデミックや経済危機、人種差別、気候変動問題、我々の民主主義への脅威の中にある」と危機感を示しました。そのうえで「ともに力を合わせれば、できないことはない」と米国民へ結束を求めました。

日本時間21日午前10時30分ごろ

就任祝賀番組、司会はトム・ハンクスさん

20日、就任祝賀番組「セレブレーティング・アメリカ」の司会を務める俳優のトム・ハンクスさん=ロイター
20日、就任祝賀番組「セレブレーティング・アメリカ」の司会を務める俳優のトム・ハンクスさん=ロイター

「セレブレーティング・アメリカ」の司会はアカデミー賞受賞俳優のトム・ハンクスさんです。「フォレスト・ガンプ/一期一会」などの人気作に出演し、アニメ映画「トイ・ストーリー」では主人公ウッディーの声優も務め幅広い層から人気があります。ハンクスさんは「今回の就任式は新たな4年間の到来を象徴する」と語りました。

2020年には新型コロナウイルスの感染からその後の状況までをツイッターで公表したことでも話題となりました。ハリウッドの映画業界には民主党支持者が多く、ハンクスさんはバイデン氏の資金集めに尽力したことでも知られています。

10時45分ごろからは、ジョン・ボン・ジョヴィさんがビートルズの名曲「ヒア・カムズ・ザ・サン」を披露しました。マイアミでの収録映像とみられます。

ボン・ジョヴィさんは「イッツ・マイ・ライフ」や「リビング・オン・ア・プレーヤー」などの名曲で知られる世界的ロックバンド、ボン・ジョヴィのリーダーです。20年の米大統領選最終盤の10月下旬には、ペンシルベニア州でのバイデン氏の演説に登場し、バイデン氏への熱い支持を訴えていました。

日本時間21日午前10時30分ごろ

就任祝う番組始まる スプリングスティーンさん熱唱

バイデン大統領とハリス副大統領の就任を祝う特別番組「セレブレーティング・アメリカ」が始まりました。ロック歌手のブルース・スプリングスティーンさんが首都ワシントンのリンカーン記念堂前から「ランド・オブ・ホープ・アンド・ドリームス」を無観客のなかで熱唱しました。スプリングスティーンさんは2009年のオバマ大統領(当時)就任記念コンサートにも出演していました。

米メディアによると、新型コロナウイルスの感染拡大で中止となった恒例の就任祝賀舞踏会の代わりという位置付けです。この番組は米国内のテレビ局だけでなく、ソーシャルメディアや動画配信サービスでも中継されています。

日本時間21日午前9時20分ごろ

大統領報道官が初の記者会見、4年前は物議も

20日、ホワイトハウスで記者会見するサキ報道官=ロイター
2017年1月、ホワイトハウスで記者会見するスパイサー報道官(当時)=ロイター
20日、ホワイトハウスで記者会見するサキ報道官=ロイター

米ホワイトハウスのサキ大統領報道官はバイデン政権発足後初めて記者会見しました。サキ氏はオバマ前政権の国務省報道官を務めました。バイデン新大統領が初めて電話協議する外国指導者はカナダのトルドー首相になると明らかにしました。電話会談は22日に実施される見通しです。

サキ氏は「独立した報道に深い敬意を持っている。(ジャーナリストの)皆さんと一致できないこともあるだろうが、米国民に正確な情報を提供する目標は共有している」と語りました。「透明性」と「真実」に重きを置く姿勢を示して、不正確な情報発信の目立ったトランプ前政権からの転換を印象づけました。

意識したとみられるのが、4年前の2017年1月、当時のスパイサー大統領報道官が開いた記者会見です。聴衆の規模を巡って「過去の就任式で最多だった」と不正確な主張を行い、報道陣とやり合いました。その後、別の政権幹部がスパイサー氏の発言を「もうひとつの真実(Alternative Facts)」と擁護し、トランプ時代の幕開けを象徴する出来事として記憶されています。

2017年1月、ホワイトハウスで記者会見するスパイサー報道官(当時)=ロイター

日本時間21日午前9時ごろ

米上院、ヘインズ国家情報長官を承認 政権初の閣僚人事

20日、人事承認されたヘインズ国家情報長官(写真は19日)=ロイター
20日、人事承認されたヘインズ国家情報長官(写真は19日)=ロイター

米上院は20日、ヘインズ国家情報長官の人事を承認しました。バイデン政権で上院の承認を得た初の閣僚となりました。同ポストは中央情報局(CIA)などの情報機関を統括します。

連邦議会では新たに民主党の3上院議員が宣誓し、定数100の上院で民主、共和両党の勢力は50議席ずつとなりました。賛否が同数の場合はハリス副大統領が票を投じるため、民主が上院で事実上の多数派を確保しました。

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