2020.12.26
# サッカー

佐藤寿人と徳永悠平、引退する2人の名選手が「日本サッカー」に遺したもの

2012年の大活躍から振り返る

内田、中村だけじゃない

コロナ禍の“超過密日程”を乗り切った2020年のJリーグ。J1は川崎フロンターレのブッチ切り優勝で幕を閉じた。この時期になれば、今シーズン限りでピッチを後にするJリーガーたちの話題が増えてくる。

8月に鹿島アントラーズの内田篤人、11月に川崎フロンターレの中村憲剛という“クラブの顔”が現役引退を表明していたが、12月に入ると他にも続々と引退する選手が出てきた。

8月に引退を表明した鹿島アントラーズの内田篤人選手[Photo by gettyimages]
 

J1通算歴代2位の161得点を誇るJ2ジェフユナイテッド千葉の佐藤寿人や2012年のロンドン五輪ベスト4入りに貢献したJ2V・ファーレン長崎の徳永悠平ら元日本代表もスパイクを脱ぐという決断を下している。

佐藤38歳、徳永37歳。彼らもまた日本サッカーに足跡を残した名フットボーラーであった。

Jリーグの歴史に残る名ストライカー

佐藤寿人が最も輝いたと言えるのが2012年だろう。

このシーズン、30歳にして初めてJ1で20得点以上の“大台”となる22得点を叩き出し、サンフレッチェ広島をJ1初制覇に導く見事な活躍ぶりであった。キャプテンとして文字どおり先頭に立ってチームを引っ張り、得点王とMVPをダブル受賞している。

相手との駆け引きに長け、ワンタッチでゴールに蹴り込む“ワンタッチゴーラー”としての印象も強い。ディフェンスの背後を取る動きはまさに芸術的で、オフサイドにならないギリギリの線を攻略する達人。相手のラインもさることながら、副審の位置まで判断基準にした頭脳派のプレーは30歳に入って凄味を増していった。

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