東京福祉大総長が復職 過去に強制わいせつ罪で実刑判決 文科省への説明、ほごに

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
東京福祉大池袋キャンパス=東京都豊島区で2019年9月12日、銅崎順子撮影
東京福祉大池袋キャンパス=東京都豊島区で2019年9月12日、銅崎順子撮影

 部下の女性教職員5人に対する強制わいせつ罪で2008年に実刑判決を受けた東京福祉大(本部・東京都)の創設者、中島恒雄氏(73)が、11月20日付で、大学長と運営母体の学校法人「茶屋四郎次郎記念学園」理事長を兼ねる総長に復職したことが同法人への取材で分かった。大学側は、中島氏を運営に関与させないことを文部科学省に報告してきた経緯があり、同省は「過去の説明と整合性が取れない」として調査に乗り出した。【鈴木敦子】

 中島氏は総長だった08年1月に強制わいせつ容疑で警視庁に逮捕され、総長を辞任した。同10月に懲役2年の実刑判決を受けた。

 大学は08年6月、中島氏に権限が集中していた体制を見直し、学長と法人理事長を分離したうえで、中島氏の復職は認めないとする再発防止策を公表した。文科省は、中島氏を運営に関与させないよう大学側に求めてきたが、服役し出所後の10年7月から「事務総長」として雇用されたり、コンサルタント業務を請け負ったりするなどの関与が確認された。そのため、私学助成金を分配する「日本私立学校振興・共済事業団」はたびたび助成金を減額してきたが、10~18年度の交付額は計約29億円に上る。

 文科省は中島氏の運営への関与を問題視し、説明を求めたところ、同法人は19年2月、「事件以降、(中島氏を)経営や教育に一切関与させておらず、今後も同様」と文書で回答した。ただ、刑法では刑期満了から無事に10年が経過すれば刑の言い渡しは効力を失う(刑の消滅)とされているため、この文書の中で、刑期満了から10年となる20年10月24日以降に中島氏を復職させる意向を示し、文科省が撤回させた。

 しかし、同法人によると、中島氏は11月20日の学長候補者選考委員会で選出され、理事会の承認を経て同日付で学長と理事長を兼務する総長に就いた。トップに復職した理由について、同法人総務課は毎日新聞の…

この記事は有料記事です。

残り1169文字(全文1961文字)

あわせて読みたい

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月