「GoToキャンペーン」の中止後、日本経済を待ち受ける「悲惨すぎる」事態

こうなったら、減税とバラマキしかない

「Go To」はこのまま中止か?

菅義偉政権が年末年始の「Go To キャンペーン」事業を全国一律で一時停止する方針を決めた。飲食観光業からは悲鳴が上がっているが、本当の試練はこれからだ。「Go To」は来年1月11日の中止期限を過ぎても、再開できない可能性が高い。政府はどうすべきなのか。

政府は「Go To トラベル」事業を中止する期間を12月28日から来年1月11日まで、と発表している。その後の扱いについて、菅首相は記者会見で「その時点での感染状況などを踏まえて、あらためて判断する」と表明した。つまり、現時点では「未定」という話である。

菅義偉総理[Photo by gettyimages]
 

だが、実際には再開できない可能性が高い、と私はみる。なぜなら、そもそも、日本では来年1月までにワクチン接種が始まらず、新型コロナの感染が収束する見通しはない。これが1つ。それ以上に大きな理由は「政治的に再開のハードルが上がってしまった」からだ。

期限を迎えたからと言って、事業を再開して感染がまた広がれば「政府の迷走が感染を広げた」という批判を避けられなくなる。急ブレーキを踏んで止めたと思ったら、アクセルをふかし、また急ブレーキなどという事態になったら、政治的に「完全にアウト」だ。政権の足元が揺らぎかねない。

逆に言えば、再開するには「感染が止まった」という確かな証拠を提示する必要がある。だが、それは極めて難しい。ワクチン接種も始まらず、治療薬もないのに「もう大丈夫」というのは、無責任でもある。

夏にいったん収まりかけたように見えて、人々の警戒感が緩んだ。そのとき政府は「Go To」の掛け声をかけて、人々の移動に拍車をかけた。時系列で見れば、そこからいまの事態につながっている。「Go To」と感染拡大の因果関係を示す証拠はなくても、国民は強く疑っている。同じ「失敗」は繰り返せない。

「Go To」の一時停止で感染が止まれば、もちろん幸いだ。そうであれば、せっかく抑え込みに成功したのだから、あえて事業を再開してリスクを抱える必要はない。逆に、感染が止まらなければ、再開できないのは当然だ。どちらに転んでも、再開は難しい。

西村康稔新型コロナ対策担当大臣[Photo by gettyimages]
 
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