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マツダが追求する“スポーツ”とは? BLACK TONE EDITION登場

12月3日、マツダは、特別仕様の「BLACK TONE EDITION」を「マツダ2」、「マツダ6」、「CX-5」、「CX-8」の各車に設定した。各モデルの特徴と、マーケティング担当者へのインタビューをリポートする。
BLACK TONE EDITION マツダ MAZDA マツダ2 CX5 CX8 マツダ6 カペラ SUV マツダスピード アテンザ
Hiromitsu Yasui

ブラックの専用パーツに注目!

BLACK TONE EDITION は、ブラックの専用パーツを各所に装着しているのが特徴だ。台数の限定はとくにない。

マツダ2では、ガソリンの「PROACTIVE」をベースに、ドアミラーとフロントグリル、16インチアルミホイールをブラックに換装、フロント/リアのロワー・バンパーはブラックからメッキになった。さらに、シャークフィンアンテナとマフラーカッターも特別装備された。

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内装では、シートカラーがブラウンからブラックになったうえ、レッドステッチが入った。エア・アウトレットまわりの加飾は、シルバーからレッドに変更された。ステアリング・ホイール(AT車はパドルシフト付き)やシフトノブ、パーキングブレーキは本革巻にアップグレード。さらに、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)や衝突被害軽減ブレーキなどの運転支援装備も標準化された。

搭載するエンジンは1.5リッター直列4気筒ガソリン(110ps/6000rpm、141Nm/4000rpm)のみ。価格はFWD(前輪駆動)モデルが179万8000円、4WDモデルが200万7000円だ。

BLACK TONE EDITIONは名前のとおり、ブラックの専用パーツを多数備える。写真はマツダ2ヴァージョン。

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アンテナはベースモデルと異なりシャークフィンタイプになる。

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エアアウトレットまわりの加飾は、シルバーからレッドに変更された。

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シートはレッドステッチ入り。カラーは、ブラウンからブラックに変更された。

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マツダ6は、ガソリンおよびディーゼルの「PROACTIVE」とガソリンターボの「S Package」をベースに、ブラックのドアミラー、ブラックメタリック塗装の19インチアルミホイールを装備。

インテリアは、シート表皮/カラーがレザー/レッドになる。シート中央は、グレー・ステッチ入り。PROACTIVEには非標準の、アームレスト付き大型コンソールボックスやCD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー(フルセグ)、IR(赤外線)カットガラスが備わる。対してS Packageに備わるLED間接照明や助手席6Wayパワーシート、運転席&助手席シートベンチレーションなどが省かれるが、その分ベースモデルより約43万円安価だ。

搭載するエンジンは2.0リッター直列4気筒ガソリン(156ps/6000rpm、199Nm/4000rpm)、2.5リッター直列4気筒ガソリンターボ(230ps/4250rpm、420Nm/2000rpm)、2.2リッター直列4気筒ディーゼルターボ(190ps/4500rpm、450Nm/2000rpm)の3種類で、価格はそれぞれ328万3500円(FWDのみ)、388万8500円(FWDのみ)、370万1500円(FWD)/394万3500円(4WD)。

マツダ6は、現行マツダのフラグシップセダン&ステーションワゴンだ。日本ではこれまで「アテンザ」の名前で販売されていたが、世界市場での名称とおなじマツダ6に変更された。

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全車のアルミホイールは、ブラックになる。

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搭載するエンジンは3種類から選べる。

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CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー(フルセグ)は標準。

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レザーシートのカラーは鮮やかなレッドになる。

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ステアリング・ホイールの形状に変更はなし。オーディオおよび運転支援関連のスウィッチ付きだ。

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ドアライニングはレッドステッチ入り。

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シートの座面およびバックレスト中央には、グレーのステッチが入る。

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CX-5はガソリンおよびディーゼルの「PROACTIVE」がベースになる。ブラックのドアミラーやブラックメタリックの19インチアルミホイールを装備。シート表皮は、ファブリックから人工皮革になる。インパネの加飾やドアトリムはガンメタリックからブラックになった。ステアリング・ホイールやシフトブーツはレッドステッチ入り。くわえて、ベースモデルには非装備の7インチのTFTカラー液晶パネル付きメーターやLED室内照明などが備わる。

搭載するエンジンは、2.0リッター直列4気筒ガソリン(156ps/6000rpm、199Nm/4000rpm)、2.5リッター直列4気筒ガソリン(188ps/6000rpm、250Nm/4000rpm)、2.2リッター直列4気筒ディーゼルターボ(200ps/400 0rpm、450Nm/2000rpm)の3種類で、価格はそれぞれ304万1500円(FWDのみ)、327万2500円(4WDのみ)、336万500円(FWD)/359万1500円(4WD)。

CX-8もCX-5と特別装備は基本的におなじだ。CX-5と異なるのは、自動防眩ルームミラーがフレームレスになり、地上デジタルTVチューナー(フルセグ)+10.25インチセンターディスプレイ+ワイヤレス充電+サードシート充電用USB端子2個が備わること。

搭載するエンジンは、2.5リッター直列4気筒ガソリン(188ps/6000rpm、250Nm/4000rpm)、2.2リッター直列4気筒ディーゼルターボ(200ps/400 0rpm、450Nm/2000rpm)の2種類で、価格はそれぞれ361万6800円(FWD)/385万3300円(4WD)、399万9600円(FWD)/423万6100円(4WD)。

手前がCX-5、奥がCX-8。基本コンポーネントを共有するSUVだ。

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ドアミラーはブラックになる。

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インパネの加飾やドアトリムはガンメタリックからブラックになった。

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ステアリング・ホイールはレッドステッチ入り。

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シフトブーツにもレッドステッチが入る。

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シート表皮は、ファブリックから人工皮革になる。

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ガラス製スライディングルーフはオプション。

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ターボモデルの投入はいかに?

BLACK TONE EDITIONは「スポーティなイメージを高めること」が使命。また、「これまでになかった新たな世界観を提供し、お客様の選択肢を広げる。価格帯は、各車種の最量販の価格帯に設定した」と、リリースは述べる。

国内営業本部ブランド推進部で主幹を務める二宮誠二氏に話を訊いた。

――デザインテーマは“スポーツ”ですね。

二宮 はい。日本のみならず世界で、“スポーツ”をテーマにした特別仕様車を投入しています。たとえば、北米市場では「カーボンエディション」を発表しました。グレードや装備などは各市場のニーズに合わせ、変えています。

――真のスポーツを求める人は、専用の外装パーツだけでは満足出来ないのでは?

二宮 たしかに営業サイドからは、足まわりのチューニングなども要望としてあります。ユーザーに訴求しやすいからです。ただしコストが嵩むので、販売価格を考えると今は難しいですね。

――もっとスポーティなモデルを希望するユーザーに、海外市場にあるマツダ3のターボモデルなどを投入してみてはいかがですか?

二宮 ターボモデルのニーズこそありますが、それほど多くないのが現実です。過去にもマツダスピードヴァージョンのアクセラおよびアテンザ(いずれもターボエンジンを搭載)を投入しましたが、販売台数が伸び悩みました。

初代アテンザに設定されたマツダスピードヴァージョン。2.3リッター直列4気筒ガソリンターボを搭載する高性能モデルだった。

――最新のマツダ3には設定がありませんね。

二宮 マツダでいうところの第7世代にあたる最新のマツダ3については、登場から日が浅いので見送りました。今回、第6世代に絞って設定したのは、特別仕様車を安易に増やすとユーザーが混乱するからです。

――台数限定にしない理由とは?

二宮 販売が難しくなるからです。売れ行きが芳しくないと困りますが、逆に即完売しても困ります。

――カタログモデルにする予定は?

二宮 今回はトライアルなので反響しだいです。たとえば、CX-8の最上級グレードの「Exclusive Mode」は。最初は特別仕様でしたがカタログモデルになりました。と、申しますのも、売れ行きが大変好調だったのです。CX-8の販売台数全体の約6%を占めました。

現行マツダ6は2008年に登場した。

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――マツダの特別仕様車は現在9種類ありますね。

二宮 ユーザーの価値観が多種多様になったため、新型を投入しても2年ほどで販売は厳しくなります。そこで特別仕様車を投入し、需要を掘り起こします。

――特別仕様車もさることながら、CX-4やCX-9などの海外専売モデルを導入する考えはありますか?

二宮 CX-4は国内の販売台数規模を考えると導入は厳しいかもしれません。CX-9は全長5m超の大型サイズのため、日本市場ではそのサイズを持て余すでしょう。したがって、現在のラインナップでいかに拡販していくか? を、考えて参ります。

――今後、ユーザーにはどのような方法で“スポーツ”をアピールしますか?

二宮 はっきりとは決めていませんが、BLACK TONE EDITIONをもとに開発を進めます。個人的には、見た目をもっとシャープに、そしてスポーティにしたいですね。足まわりにも手を入れてみたいです。