慶応大・東京歯科大、合併へ 2023年春めど歯学部統合
慶応義塾(東京・港)と東京歯科大(東京・千代田)は26日、合併に向けた協議を始めると発表した。2023年4月をめどに慶応大に歯学部を設け、統合する。10学部を擁する慶大は歯学部を加え、総合大学としての競争力を強化する。
東京歯科大が6日、慶応義塾に歯学部の統合と法人の合併を申し入れた。慶応義塾は26日の評議員会で合併協議の開始を決めた。
慶大は少子化が進む中、傘下の小中高校を含めたブランド力強化を狙う。医科歯科の連携を強化し、大学の研究・教育機能も充実させる。
東京歯科大は歯科医師国家試験の合格率トップクラスの有力校で、経営状態は安定している。一方で歯科医は供給過剰が指摘され、一部の私大歯学部では定員割れが発生、定員削減も進んだ。歯学部を取り巻く環境は厳しく、慶大との統合で歯学部の価値向上を図る。
慶大は08年4月に旧共立薬科大と合併し、薬学部と大学院薬学研究科を設置した。東京歯科大との合併が実現すれば、医療分野では医、看護医療、薬に続く4番目の学部となる。慶大によると、医療系4学部を持つ総合大学は国内初になる。
私大再編では、09年に関西学院大と聖和大、20年に関西国際大と神戸山手大が合併した。