2020.11.16
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「つまらないと思われることが怖い人」に会話のプロが伝えたいこと

「しんどい」「気まずい」…どうすればいい?
「会話がしんどい」「会話が怖い」……一体どうしたらいいのか? "元・コミュ障"のニッポン放送アナウンサー・吉田尚記さんの新刊『元コミュ障アナウンサーが考案した 会話がしんどい人のための話し方・聞き方の教科書』(アスコム)が話題だ。今からすぐに使える、一番やさしい会話術とは?
 

元・コミュ障だから伝えられること

「吉田さんにコミュニケーションに関する話を聞きたい」といわれたとき、これまでは私が私自身の経験や失敗談を通して、自分自身のために考えた解決法を紹介していました。

しかし、私の経験談だけで、本当に読者の人たちが自分のコミュニケーションを改善できたのか、人生を少しでも良い方向に変えていくことができたのかという点には疑問が残っていました。

私はもともとかなりのコミュ障で、読者の方と同じような悩みをたくさん抱えていました。それが、たまたまアナウンサーになってしまったことで、コミュニケーションの技術をいやおうなく身につけなければいけませんでした。

仕事ですから、嫌であってもコミュニケーション「しなければならない」という状況に追い込まれ、毎日バッターボックスに入ってバットを振り続けたのです。フォームがダサいとか、空振りしたら恥ずかしいとか、デッドボールが怖いなんていっていられませんでした。それが嫌なら、この仕事をやめるしかありません。

もしアナウンサーになっていなかったら、コミュ障であり続けたに違いありません。それは、少し嫌ないい方になりますが、「義務ではないコミュニケーション」から
は、いくらでも逃げ続けられるからです。

私がコミュニケーションを技術として扱うようになってから、20年くらいの時が経ちました。たしかに、その中で得てきた実感を述べ、「こんな風にやってみたらいいですよ」とテクニックを紹介することはできます。

でも、それが実際に読者の方のコミュ障を緩和し、解消させ、助けとなっているのかについては、検証したことはなかったんです。

過去、自分がどんなことにどういう順番で悩み、どう解決し、それを法則化していったかの時系列はすでにあいまいです。

ピンポイントの質問に「こうすればいいですよ」とお答えはできても、1往復の会話ですらも苦手としている段階の人が、リアルな会話にどんな恐怖感を持っているのか、どんなことを考えながら進んでいけばいいのか、もはや私一人では検証不能です。

今回は、ここにサロンメンバーの力を借りました。

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