印小売り大手フューチャーの事業売却「保留を」 国際仲裁機関
インド小売り大手フューチャー・グループが同業のリライアンス・インダストリーズに主要事業を売却する方針を巡り、シンガポール国際仲裁センターが売却を保留するよう暫定命令を出したことが分かった。インドでリライアンスと競合する米アマゾン・ドット・コムが売却中止を求めて申し立てていた。
暫定命令は日本の仮処分に相当する。アマゾンは日本経済新聞の取材に対し、「我々の申し立てを認める命令に感謝している」と述べた。仲裁センターは事業売却を一旦止めたうえで、今後はアマゾンとフューチャーの主張を精査して最終的な仲裁判断を出す見通しだ。
アマゾンは、フューチャーの中核企業で総合スーパー(GMS)などを展開するフューチャー・リテールに間接出資している。アマゾンはフューチャー・リテールの小売事業を競合するリライアンスに売却することは出資契約に違反する、と主張している。
一方、フューチャー・リテールは26日、シンガポール国際仲裁センターから暫定命令を受け取ったことを発表した。
アマゾンは2019年にフューチャー・リテール株を保有する企業に49%の出資を決め、今年1月に両社が業務提携することで合意していた。ただ8月になり、リライアンスがフューチャーの主要事業を買収することを決めていた。