「だんまり決め込むなら、学術会議はなくなったらいい」木村幹教授の痛烈投稿 その真意は
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だんまりを決め込んでいる人たちが生き残るんだったら、そんな学術会議はなくなったらいい――。日本学術会議の任命拒否問題を巡り、木村幹・神戸大大学院教授(朝鮮半島地域研究)がこんな刺激的なツイートを投稿した。自身の所属学会で、学術会議の連携会員を務める複数の理事が声を上げなかったことに落胆したという内容だ。研究者の間で、既に国家権力に萎縮する空気が広がっているのだろうか。さっそく真意を聞いてみた。【金志尚/統合デジタル取材センター】
誰もがリスクを取りたくない
木村教授が理事を務める現代韓国朝鮮学会(会長=小針進・静岡県立大教授)は今月14日、任命拒否に関して「推薦通りの任命が行われないという不正常な状況に対しては、その混乱の是正を求める」とする会長声明を出した。学会によると、声明を出すかどうか全20人の理事で採決したところ、賛成16、反対1、棄権3で全会一致にならなかった。そのため、理事会声明ではなく会長声明になったという。
こうした経緯を踏まえ、木村教授は「この話。やっぱり書いておくことにします」という前置きから始まる6本のツイートを立て続けに投稿した。
まず学会の複数の理事が学術会議の連携会員を務めていることに触れ、「連携会員は学会を代表して学術会議に出ているはずなので、本来は彼らが自らの見解を示すべきだ」と主張。しかし、連携会員から意見表明はなく、理事会でも全会員一致できなかった結果、会長声明に落ち着いた経緯を明らかにし、「学術会議の委員や連携委員の地位にありながら、だんまりを決め込んでいる人たちに、少しでも彼(小針会長)の様な責任感があったら、この国の学会はもっと違ってきたんだろうな」と皮肉った。
また、「誰もがリスクを取りたくない状況」で、学会のトップら一部の研究者だけが矢面に立たされている現状があると指摘。学術会議の会員や連携会員という地位にいながら発言しない学者たちに向け…
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