クロームブック、「GIGA」で需要急増 MM総研調べ
調査会社のMM総研(東京・港)は21日、米グーグルの基本ソフト(OS)を搭載した廉価版ノートPC「クロームブック」の国内での出荷台数が増加するとの見通しを発表した。2019年に15万台だった出荷台数は21年に281万台に達すると予測する。低価格を背景に政府が全ての小中学校に学習端末を配備する「GIGAスクール構想」関連の需要が後押しする。
MM総研によると、クロームブックはGIGAスクール関連で地方自治体からの受注が増加し、20年は19年比で10倍となる157万1千台が出荷される見通しだ。政府は配備に当たって1台当たり4万5千円の補助金を出す方針で、比較的安価なクロームブックにとって追い風になる。これにより、20年のノートパソコンの出荷台数は過去最高の1196万5千台に達する見込みだ。
出荷台数の増加でクロームブックの国内でのシェアも高まる。同社によると、19年に1%ほどだった出荷台数ベースの国内シェアは21年には24%まで高まる見込み。政府は端末配備の計画を21年3月までに前倒ししていることから各地方自治体は対応を迫られている。今後、GIGAスクール関連の需要が本格的に立ち上がりノートパソコンの出荷が増加する見通しだ。
同社の中村成希執行役員は「足元では地方自治体が中心だが、これからは家庭でも子供向けにパソコンを購入する動きも出てくる」と話す。GIGAスクール関連の受注を巡ってパソコンメーカーによる受注競争も激化しそうだ。(菅野気宇)
関連企業・業界