武田総務相、6G技術開発へ「産官学で集中投資」
アイサム&トランザム
武田良太総務相は21日、人工知能(AI)と交通・移動技術をテーマに日本経済新聞社が主催するグローバルイベント「アイサム(AI/SUM)&トランザム(TRAN/SUM)」で講演した。2030年代の実用化を目指す次世代通信規格「6G」について、20年内に産官学一体のコンソーシアムを設立すると明言し「先端技術へ集中投資する」と強調した。
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6Gは国内で今春に商用サービスが始まった5Gに比べ、超高速通信や同時に接続できる機器数などの性能が10倍になり、通信の安全性なども飛躍的に高まると期待されている。米中なども研究予算の確保や戦略策定を進めており「後れを取ることは許されない」と説明した。
総務相は研究開発や知財標準化などを産官学一体で進め「世界最高レベルの研究開発環境を実現する」と述べた。今後5年間で研究を集中的に進めて「25年の大阪・関西万博でショーケースとして世界に(成果を)示す」と話した。
コンソーシアムを年内に発足させ「国内外の企業や大学などによる実証プロジェクトの立ち上げを支援する」と説明。実用化に向けた特許のシェア獲得や国際標準化、海外パートナーとの連携を進めるとした。
この日は五神真・東大学長も知識集約型社会における大学の役割について講演した。新型コロナウイルス禍でデジタル技術による「不連続な変化が起きている」と指摘。経済の価値が無形資産にシフトする中で、大学が役割を果たすカギになるのがデータ解析とAIだと強調した。