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Photographer: DENIS CHARLET/AFP
Cojp

アマゾンのフェイクレビューの割合、コロナ禍で年末商戦並み高水準

  • アマゾン商品レビュー、3~9月は42%がやらせ-フェイクスポット
  • ロックダウンでネット通販に消費者殺到した時期にフェイク評価急増

インターネット通販大手の米アマゾン・ドット・コムで扱っている商品に関するフェイク(やらせ)レビュー投稿の割合は新型コロナウイルス感染拡大の中、ホリデー商戦期間に通常見られる水準に高まっている。

  モニタリング・サービスを手掛けるフェイクスポットが3月から9月のレビュー投稿720万件を検証したところ、信頼性に欠けると評価されたのは全体の約42%と、前年同期の約36%から増加した。この期間はウイルス感染を避けたい消費者がオンライン通販に殺到した時期と重なる。

  フェイクスポットの創業者、サウド・ハリファ氏は「2019年の場合、このような数字はブラックフライデーかクリスマスしか見たことがない」と述べ、「20年は、フェイクレビューが米国のロックダウン(都市封鎖)措置と同じ時期に急拡大した」と指摘した。一方、ウォルマート・ドット・コムではフェイクレビューの割合が前年とほぼ同じ約36%だったとフェイクスポットは分析した。

  フェイクレビューはアマゾンなどのオンライン通販業者にとって長年の悩みの種だ。ネット通販業者はフェイクレビューの一掃に取り組んでいるものの、こうしたレビューの投稿者は対価を得ているケースもあり、商品の長所を誇大広告したり、販売を落ち込ませるため妨害したりする。そうした中、買い物客が自分の読んだレビューが本物かどうか見極めるのを助けるさまざまな自動サービスが登場している。

  アマゾンとウォルマートのサイトに投稿されるレビューをモニターしているフェイクスポットは製品のレビューを格付けする。「D」は特定の商品のレビューのうち40-70%がフェイクを意味し、「F」は70%強のレビューが疑わしいことをユーザーに警告するものだという。同社によると、15年の導入以来、2000万余りのユーザーがフェイクスポットを利用しており、消費者が購入商品の選択でレビューや格付けにどれほど依存しているかの証しだという。

  これに対しアマゾンの広報担当者は電子メールで、「レビューを『チェック』すると主張するフェイクスポットやレビューメタといった企業は、レビュー投稿者や販売者などアマゾンの自前データへのアクセスがないため、レビューの信頼性を具体的に判断することはできない」と指摘。アマゾンはレビューシステムを乱用しようとする「悪意のある人たち」の存在を認識しており、「レビューの整合性を守るためかなりの資源」を投じていると付け加えた。

原題:
Amazon Fake Reviews Reach Holiday Season Levels During Pandemic(抜粋)

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