「GoToイート」、ポイント額下回る飲食を抑制へ 農水省
外食業の支援策「Go To イート」のポイント付与を巡り、農林水産省は8日、ポイントで得られる金額を下回る飲食ができないよう予約サイト事業者に求めたと発表した。昼食は500円、夜は1000円というポイント付与額を下回る少額の飲食を抑える狙い。安い料理を1品だけ注文するなどし、ポイントとの差額を得る利用者が相次いだのに対応した。
農水省は「付与ポイント未満の飲食を抑制する手段をとる」よう予約サイトを通じて各飲食店に求めた。(1)「席のみ」の予約の場合、目安の金額を示す(2)コース予約に限定する――などを挙げる。ただ、あくまで事業者への要請の形で「飲食店側はそれぞれの事情に合わせて対応をとることになる」と説明する。
対応しない場合の罰則はなく、未対応の飲食店が出れば差額のポイントを得る使い方が一部で続く可能性もある。夕食の客単価が1000円を下回る飲食店もあることなどに配慮し、コロナ禍で打撃を受けた飲食店を幅広く支援するとの観点から「一定のラインではじく考えはない」とするが混乱が続く懸念もある。
既に対応を見直す飲食店もある。居酒屋大手の鳥貴族は対象となる全店でグルメサイト経由の予約をコースに限定した。従来はサイト経由での予約は「席のみ」も可能だった。予約して来店すれば1人あたり1000円分のポイントが付与されるため、1品だけ注文して298円(税込み327円)を支払えば、差額の673円分のポイントが得られた。
加藤勝信官房長官は8日午前の記者会見で、ポイント付与に関し「昼食500円、夕食1000円未満の金額で飲食した場合にポイントを付与しない方向で対応策を検討している」と述べていた。加藤氏の発言については農水省は「趣旨は同じだ」との見方を示した。
「イート」のポイント付与はオンラインの予約サイトを通じて予約すると、昼は500円、夜は1000円分のポイントがもらえる仕組み。ポイントは次回以降の飲食で使える。農水省によると、1日の開始から2日間で115万人分、10億円相当の「イート」ポイントが付与される予約があった。
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